六ヶ所村ラプソディー

071103_壁心館工事中

今日は学祭に行きました。
以前みんなの書いてくれたEPIC2014の感想をもとに「どのようにしてわたしたちに情報は届くか」というお話をしましたが、「知らない」ことを知らない、情報が届いていないことを知ることのできないことの一例として日本の原発事情を挙げ、核燃料再処理工場についてふれました。
人間館1階の「地球回廊」では今青森県六ヶ所村関連の展示をやっていますが、核燃料再処理工場の建設がすでに完了している場所というのがこの青森県六ヶ所村です。稼働目前まできて、地元の反対運動や坂本龍一さんをはじめとした著名人らの反対運動、署名運動などで延期されてきましたが、2008年にも操業開始予定となっています。
学祭では、11月3日にB1階の映像ホールで「六ヶ所村ラプソディー」というドキュメンタリー映画の上映を行っていたので観に行ってきました。もっと早くここでお知らせしておくべきだった、と若干後悔しています。
六ヶ所村に生きる人々の翻弄され続けてきた歴史や苦悩、村の雇用問題、核燃賛成派反対派それぞれの人々の考え、工場の風下で有機農業を営む人々の危機感、イギリスセラフィールドの再処理工場労働者の子供に見られる小児白血病の発症率増加、工場が44年間排出し続けた放射能によって汚染が進んだ海に面すマン島に暮らす人の六ヶ所に対する思い、東大や京大の偉い先生の言う「安全」と「危険」。2時間ほどもある、ものすごく内容の詰まったドキュメンタリー作品でした。
ただただ、知らない間にこんなに事は進んでいたのだという事実と、「知らない」という事実に驚きます。そして、六ヶ所村のあたりまえの自然の風景があまりにも美しいことに心うたれます。
「知らない」でもわたしたちが安全に快適に暮らせるだけの時間は、もうすぐ底をつくのかもしれません。

例えばこのことを小学生になる甥に説明するにはどんな言葉を使ったらいいかなと考えました。わかりやすくかいつまんで示すことはとても難しいことですが。

  • 日本には現在56基の原発がありますが、そこから出た使用済み核燃料や放射性廃棄物は捨てる計画もなければ廃棄場所もどこにも確保されていません。
  • それらの使用済み核燃料や放射性廃棄物のほとんどは六ヶ所村の再処理工場に集められようとしています。
  • 六ヶ所村に運ばれてきた使用済み核燃料から角砂糖5個分ほどで全ての日本人を死に至らしめるというプルトニウムを取り出し、そこから新たなエネルギーをつくりだそうとしています。
  • わたしたちの使う電気の3分の1は原子力発電に依存しています。

まだまだ、伝えなくてはならないことはたくさんありますが、、また京都や大阪などでも上映する機会があると思いますので興味がある人はぜひ見てもらいたい作品です。
六ヶ所村ラプソディー
http://www.rokkasho-rhapsody.com/

と、今日はやや脱線気味でしたが、学祭は工事のせいかあまり盛況とは言えない感じでした。ですが学生のお店でまったりオセロしてたり、フリマ見たり、焼きそば食べたりする時間とあの祭り独特のいつもより3cmあげ↑なテンションは学祭ならではですね。
写真は直心館からの、工事中の学生会館です。学生会館は「壁心館」というネーミングになるらしいという話しを聞きました。ATフィールドですか。。