ウェブデザインのおもしろいところ

lynxeyed2007-11-24

正解か、それに近いものがある。

授業ではHTMLやCSSの話しに入っていよいよローマ字ばかりと顔をつきあわせる段階に入りました。ウェブの授業をしていていつも思うのは、この段階にはいっちゃうと授業のはじめにやった「前置き」がすっかりふっとんでしまう人が多いことです。「前置き」ではいろいろなことを紹介し、お話ししましたが、おぼえてくれているでしょうか。HTMLやCSSのローマ字に嫌な思いばかりさせられたらちょっと初心に(われに)かえってみてください。
まず身につけたいのは情報のかたちをデザインするという力。
それから、この授業で取り組む「デザイン」はこれまでみなさんが慣れ親しんできたそれとはすこし性格の違うもので、視覚で捉えることだけ考えてるのでは成立しないこと。
よく「アート」と「デザイン」の違いについて議論したりします。わたしは、それぞれを捉える立場によって両者に違いはないとも全く別のものであるとも言えると考えていますが、ウェブサイトをデザインするということにおいては少なくとも「アート」とは違うものだと思っています。なぜなら、ウェブサイトをデザインするということには、正解か、それに近いものがあると思っているからです。
授業サイトの「ブックマーク」にHTML文法チェッカのページを追加しています。自分で書いたHTMLソースの文法をチェックしてくれるページです。ここでは情報のかたちを正しく示すことができているかどうかは当然チェックされませんが、DOCTYPE宣言にあるHTMLのバージョン(この授業ではXHTML 1.0 Transitional)に準拠して正しい文法でHTMLが書けているかは厳密にチェックしてくれます。最高点の100点から文法ミスがあればあるだけマイナスされていきますが、実質100点(=Valid)か否か、正解か否かということだと思っています。
同じように、情報のかたちを正しく示すということにおいても正解かそれに近いものはあるでしょうし、色使いや文字の扱い方、サイト内ナビゲーションのつくり方などにおいてもそうだと思います。
頭にうかんだ楽しいことを絵にあらわすことにおいてどこにも正解がないように、どんな人にも使いやすいものをつくることにおいてはどこかに正解があります。
ウェブもそれと同じだと思います。それをいろいろな側面からつきつめる作業は大変ですし、いろいろなことを知っていなくてはいけませんが、そこが一番おもしろいところなのではないかと思います。
美輪明宏さんがよくお話しになる「肩書きはわたしに通用しません、幼い頃から銭湯でひとの裸を見てきましたが、どんなにお偉方だろうと身につけているものが立派だろうと服を脱げばただのヨボヨボ老人なんですから。」「見えるものを見なさんな。見えないものをごらんなさい。」というセリフを聞くたびに、制作者スタイルシートもユーザスタイルシートもブラウザのデフォルトスタイルシートも取っ払ってHTMLソースだけの素っ裸にしても、美しいサイトは美しいんだ。それと一緒だ!人と一緒だ!わーー!!と思って感動しています。
ちょっと病気かもしれません。

//黒猫だってひっくりかえしても真っ黒だとは限りません!  オチてない!焦