Knol

まだないコンテンツ

Googleの新サービス「Knol」が発表されました。(が、記事を書くのがだいぶ遅くなってしまった。。。)

このサービスは「knol(unit of knowledgeを表す)」と呼ばれ、特定のトピックをよく知っている人に、そのトピックに関して信頼できる解説を書いてもらうことが目的という。現在はまだテストの初期段階にあり、招待制で一部のユーザーに無料で提供されている。(ITmedia Newsより)

これこそ、第2課題-bの「○○Hacks - 誰しも何かのエキスパート(専門家)であるという考えに基づいてオリジナルのコンテンツを考え、公開を前提にウェブサイトを作成する。」の内容そのものだ!と思いました。やっぱり、ウェブには「まだないコンテンツ」がまだまだあるし、それは手をこまねいていてもそのうち出てくるという種類のものばかりではないということを、この「Knol」は証明しているのではないでしょうか。
先日、わたしは「喪中」ということ(状態)について詳しく知りたいと思いました*1。この時期、年始の挨拶を遠慮するという知らせなどでお目にかかることの多い言葉ですが、具体的に「喪中」とはどういう状態をさすのか、何を控えるべきなのか、その時期はどのくらいか、忘年会や新年会はタブーか、初詣は?などなど・・・。しかし、「喪中」という言葉で検索しても、返された検索結果は自分が知りたいと思っていたことを知れるようなインデックスにはなっていないことを感覚的に察知しました。
結局、「喪」という字のWikipediaや「教えてgoo」など、さまざまなページにあるコンテンツを複合的に組み合わせることで、自分の知りたいと思っていた「喪中」を知ることができたのですが、これが最近「まだないコンテンツ」を意識した例です。
「コンピュータ」や「インターネット」はウェブを利用する上で必ず通る分野なのでそれらのコンテンツは常に充分でフレッシュであることは当然ですが、「○○学」のようにすでに学問として確立しているような分野についても(もともとウェブは学術論文を効率的に読むために構想されたものなので)コンテンツは豊富です。
しかし、例えば先の「喪中」などの、その土地土地の風習や文化に根ざした慣例(人から人へ、口伝いに、少しずつ形を変えながら伝承されてきたならわしのようなもの)の中にはウェブにはまだないものも多くあって、さらにそれらは「○○学」の研究論文のように、おいそれとウェブに公開できるような性格の「知」ではないことが多い。というかむしろそんなことして知を共有する必要性もそもそもないかもしれない。
けれども「2009年には“人類の知”と呼ばれる分野のデータはすべて検索可能にする」と言い切るGoogleにとっては、すべては必要な知であり、それらのコンテンツが欲しい。そこで仕込んだしかけが「Knol」なのではないかと思います。
何かの専門家が実名でそれについて記事を書く。その記事には広告をつけることができ、専門家にもGoogleにも利益がある。
KnolGoogleWikipediaと言われているけれど、どっちかといえばAll about Japanの方が近い気がします。記事を書く人に大きくスポットをあてるという点においても。
さて、KnolWikipediaの対抗馬としてどうすくすく成長してゆくのか楽しみです。第2課題で「○○Hacks」を選択したひとは、いずれはKnolに記事を書くつもりで(笑)おもしろいのつくってください!
//今日のニャンドロイドは木彫り猫とともに、メリークリスマス。

*1:ちなみにわたしは喪中ではありませんので年賀状をせっせと準備しています励